関西学院大学体育会洋弓部は4月の1カ月間、毎週日曜日に開催された関西学生アーチェリーリーグ戦(1部)において、男子がAブロック優勝、女子がAブロック2位に入り、全日本学生アーチェリー王座決定戦出場を決めた。男女同時での王座決定戦出場は創部史上初の快挙となる。
第64代主将の中川裕太さん(経済学部4年)は新しいスポーツに挑戦したいと思い、大学からアーチェリーを始めた。
中川さん含め、関学大洋弓部は入部者の9割9分が初心者だ。しかし、初心者からでも10カ月後には経験者と対等に戦えるまでになるという。
その秘訣は先輩から伝わる関学大独自のノウハウだと中川さんは語る。中川さん自身入部してきた当初は、コロナ禍ということもあり、満足な練習ができなかった。しかし、先輩からの真摯な指導を受ける中でどんどん成長していったという。
主将となった中川さんは王座決定戦出場のためにチーム改革を行った。特に力を入れたのがチームの自由化だ。上級生が指示をして下級生は動くだけの体制では駄目だと感じ、後輩からの意見を積極的に取り入れるようにした。
しかし、自由の塩梅がうまくいかず、リーグ戦前の年明けの練習試合では危機感を覚える場面もあった。年末休暇が影響し、チームとして最低得点を更新する結果となった。
「アーチェリーはサボればすぐに数字として出る」。そのことが共通認識として身に染みたチームは一層気を引き締めて練習に臨むようになった。そして、王座決定戦を男女で手繰り寄せることができた。
中川さんは「競技自体は個人だけど常にチーム。みんなで底上げしてきたと思っている」と部について話した。アウェーでの試合もホームのような雰囲気を応援席から作り出してくれる仲間たちに感謝を述べた。
最後に王座決定戦に向けて「63年分の先輩たちの思いものせて、自分たちらしく頑張りたい」と抱負を語った。
全日本学生アーチェリー王座決定戦は6月17日、18日の2日間、静岡県つま恋リゾート彩の郷で開催する。(武田裕貴)