(ポプラ)過去の災害からの学び 二次災害を防ぐには

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 筆者が小学生だった2011年3月11日、東日本大震災が起きた。授業中、先生が教室にあるテレビをつけた。その時に映った津波で流れる家屋や、ひび割れた道路の様子が今でも頭の中を離れない。福島第一原発事故を含め、災害がもたらす負の連鎖に初めて恐ろしさを覚えた▼今年の2月13日、トルコ南部を震源としたトルコ・シリア地震が発生した。救助が進む中、問題となっているのが寒さや飢餓、不良建築などの二次災害における政府の対応だ▼トルコでは震災が起こる前から建設規制が強化されていた。それにも関わらず、今回の震災で新築のものも含めて多くの建物が崩壊した。加えて、物資が被災地へ十分に行き届いていない現状がある。国家として、普段から災害への意識が低いことが露呈した▼自然災害と切り離せない関係の二次災害自然災害自体を止めることはできないが、国民や政府の準備一つで、その連鎖を抑止するのは可能であると考える▼筆者自身、高校時代のゼミ活動で市役所の役員と協力し、ハザードマップを作った経験がある。その際に感じたのが、作ることを目標にするのではなく、市民にどれだけ浸透させられるかが大切だということだ▼フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソー(1712~78)の格言に「我々の最大の災害は我々自身から来る」というものがある。自分たちから災害を広げないよう工夫が必要である▼近い将来、発生が危惧されている南海トラフ地震に向けて備蓄をしている家庭も多いだろう。ただ、そういった活動が形式的になっていないか今一度確認したい。

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