(この学生に注目!)「古着にはストーリーがある」 憧れのブランドで働き自らも古着を販売 兎田豪さん

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 「古着にはストーリーを感じることができ、一点ものの美しさを持っている」。古着の魅力を語るのは文学部3年生の兎田豪さん(21)。兎田さんは兵庫県西脇市にある播州織の洋服を制作するブランドtamaki niime(タマキ ニイメ)で働きながら、自らも古着を関西各地の業者から自ら買い付けを行い、オンラインやイベントで販売している。

 中学2年生の時、兄の大地さんの影響で服に興味を持った。最初は安かったからという理由で古着を買い出したが、興味を持っていくうちに「前所有者のそれぞれの使用環境、時代背景の経年変化によって一点ものに変わってくれる」と古着に引かれていった。

 高校卒業後は、服飾関係の専門学校に進学しようと考えたが、染織を専門にしている河上繁樹教授がいたことから文学部文化歴史学科に進学した。しかし大学1年生時に、コロナの影響で学校に行くことができなかった。そこでできた時間を使い、関西各地の卸売業者から服を取り寄せオンラインで古着の販売を始めた。

 販売する種類は目につきやすく自分が一番好きなものと決めた。また期間限定でお店を出すポップアップストアを三宮などで行い、自ら接客した。接客で実際に顧客と触れ合い「若い購入者と服の価値について共有し合える事が楽しい」とやりがいを感じた。

 そして大学1年生の終わりごろ、西脇の播州織の生地を使った服に興味を抱いた。播州織りを用いた服を制作しているtamaki niimeの店舗兼工房を見学した。大量生産では作れない服を楽しみながら制作している様子を見て働きたいと感じた。大学1年生の12月に大学を辞める覚悟で連絡をした。

 1カ月のインターン期間を経て採用され、アルバイトながら主に糸を染めるチームに配属された。染める工程では同じ色を作らないようにするため一つずつ手作業で配合しており「大変だが、一つ一つ違うものを作ることができて楽しい」と語る。

 今では会社のSNSアカウントにモデルとして出ており「より若い人に受け入れられるブランドにしたい」と服の魅力を最大限引き出せるような写真を心がけている。

 今後の目標については明確には決まっていないとしながらも「大学在学中にできるだけ多くのことを吸収したい。自らも服を制作できるようにしたい」と意気込んだ。(松本亘平)

服の色となる原料。色は同じに作らないように一つずつ手作業で行っている=本人提供

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