(この学生に注目!)日向大智さん 第97回薬理学会年会 優秀座長賞受賞

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 関西学院大学理工学研究科生命医化学専攻2年の日向大智さんは2023年12月、第97回日本薬理学会年会にて優秀座長賞を受賞した。

 優秀座長賞とは、学会で班ごとに分かれて報告し合う際、進行役として優れた働きをした者に与えられる賞である。

 日向さんは本年会で、嚢胞性繊維症(のうほうせいせんいしょう)の治療に有効な「アンチセンスオリゴ」と呼ばれる核酸医薬を開発し、その効果を発表した。

 嚢胞性繊維症とは、鼻水などの粘液の水分量が減少する疾患だ。気道閉塞を引き起こしたり、通常防御できるはずの細菌に感染したりし、最悪の場合は死に至る。

 現在、嚢胞性繊維症の治療薬は存在するが、効き目が弱いことが問題だ。日向さんが開発した薬は嚢胞性繊維症の治療薬の効果を底上げすることが期待できる。

 嚢胞性繊維症は粘液の水分量を調節するたんぱく質であるCFTRが遺伝的に変異することで生じる。CFTR変異体が体の機能により分解された結果、粘液の水分量を調節することができなくなる仕組みだ。

日向さんが開発した核酸医薬「アンチセンスオリゴ」はCFTR変異体の分解を防ぐことができる。

 日向さんは薬の勉強をしながら何か生活の役に立つことがしたいと思い、この研究を始めた。「みんなが知らないことを明らかにしていくことにロマンがある」と研究の魅力を語った。(林諒太郎)

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