(日進月歩)教育現場で導入進む電子端末 相次ぐ故障 利用法の見直しを

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 近年、学校教育に学習用電子端末が導入されている。2021年時点で関東1都6県では5割を超える学校がタブレットやパソコンを貸与している。順調に導入が進んでいるが、生徒が端末を壊してしまう回数が想定よりもはるかに多いようだ。

 貸与している端末は小学6年まで使い、卒業後は次の学年に引き継がれる。にもかかわらず故障が続き、補填するための費用がかさんでいるという。

 では、なぜそんなに多く壊れてしまうのか。東京都の区立小学校によると、一部の生徒はわざと壊すこともあるが、故障する理由の多くは、机から落としてしまうからだという。学校で端末を使う場合は、教科書、ノート、筆記用具に加えて、端末を机に置くことになる。そうなれば、机の空きスペースがなくなり、端末を落下させてしまうのは自然なことだろう。

 大学にもタブレットを用いて授業を受けている学生は多くいる。彼らは授業資料を読み込んだり、端末でノートを取ったりしている。ペーパーレス化が騒がれる現代においてタブレットを授業で活用するのは大きな意味がある。

 しかし、小中学校では紙の教科書とノートを用いている。デジタル教科書の導入を進めたり、端末にノートをとったりしなければ、タブレットのポテンシャルを生かしきれていないのではないだろうか。

 ただでさえ端末の維持に費用がかかるうえに、故障が続けばその補填にさらなる費用がかかる。今の端末の使用方法のために高額な費用をつぎ込む続ける必要性には疑問が残る。

 半導体不足が騒がれている中、端末の維持費はさらに高くなっていくことが予想される。今後も導入を進めていくのであれば、学習への取り入れ方をもう一度見直す必要があるのかもしれない。

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