関学フェンシング部女子は今年、関西学生リーグで創部初の総合優勝を遂げた。商学部4年の清水淑刀(しみず・しゅくと)さんは、優勝に貢献した部員の一人だ。
清水さんは、大阪府吹田市出身。フェンシングを始めたのは小学6年生の時。2012年に開催されたロンドン五輪がきっかけだった。幼い頃から様々なスポーツをするのが好きだった清水さん。新しいことに挑戦するつもりで、中学1年生からフェンシングのクラブチームに入った。
高校入学後、清水さんは驚きの出会いをする。フェンシング部の指導者が、幼い頃に憧れた元ロンドン五輪代表・池端花奈恵さんだった。「最初はオーラが凄すぎて緊張したが、気さくな一面も見えて、この人の下で絶対に強くなりたい」と思ったという。
しかし、入部してから、周りとの実力差に劣等感を感じることが多くあった。そんな時、池端さんは清水さんに「何に関しても継続することを大切にしてほしい」と声をかけてくれた。池端さんの言葉に押され、「今続けられている朝練習から大事に継続しよう」と心に決めた。そのおかげもあって、高校3年生の時には団体で全国3位に入ることができた。
大学進学後も、池端さんの言葉を胸に「継続」し続けてきたことがある。体力強化だ。新型コロナウイルスの影響により、練習は一時間半で完結させなければならないが、限られた時間で行いたいのは技術面向上のための練習。必然的に体力面の強化がおろそかになってしまう。体力面を補うため、自宅から学校まで1時間半かけて自転車で通うようになった。
すると、これまで体力負けしていた試合で体勢が崩れなくなり、フィジカル面が強くなったと実感している。また、自転車通学では一人の時間を持てるため、自分を分析する機会が増えたと語る。自分の特性や弱点に気付くことができ、修正点を明確にして練習に臨めるようになった。
清水さんにとって最終学年である今年。「卒業まで関学フェンシング部に新しい歴史を刻み続けたい」と意気込んだ。(武田裕貴)