日進月歩 防災意識の欠如と被災経験の有無から生まれる差

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 年明けを祝う元旦に大災害が日本を襲った。1月1日、石川県能登地方で最大震度7を観測する地震が発生した。多くの人々が被災し、避難生活を余儀なくされている。

日本は世界の中でも自然災害が多い国だ。2022年3月までの過去10年間において、被害が広範囲に及び、復興に時間を要した自然災害の発生件数は13件である。

 災害大国である日本の国民は防災に対してどのような意識を持っているのだろうか。

2021年の国土交通省の「防災に関する国民意識」によると、10年前に比べて最近の2、3年は「ハザードマップや避難所・経路の確認」や住民一人ひとりの防災行動計画を立てる「マイ・タイムラインの作成」に取り組む人が増加している。自然災害の対策について「何もしていない」と回答した人についても52%から約40%へと減少している。

このことから、近年の災害の激甚(げきじん)化・頻発化を背景に国民の防災意識は高まっていると考えられる。

 一方で自然災害への対策について「何もしていない」と回答した人のうち、被災経験がある人は約41%から約24%に減少し、被災経験がない人は約55%から約44%に減少した。災害対策を行わない人は減少したものの、被災経験の有無による災害対策への意識の差が拡大していることが問題だ。

この結果には日本人の自然災害に対する「仕方ない」という考え方や、「起きて当然だ」と捉える精神性が影響を与えていると考えられる。

今回の災害を機に、改めて非常食や水、防寒具などを備蓄し、避難経路や避難場所を調べ、避難計画を立てることが重要だ。他人事だと思わず、自ら考え自然災害のリスクを理解し、適切な対策をしていかなければならない。

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