関西学院大学・大学宗教主事会は9月13日に統一協会関連報道に関する緊急メッセージを発表した。安倍元首相を襲撃した事件から世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関する報道が続き、大学宗教主事会が旧統一協会だけでなく宗教全体に対しての偏見を懸念してとのことだ。
打樋啓史宗教総主事は「最初に立教大学から始まった。そこから同じキリスト教の学校として学生に向けて何か伝える必要があるのではないかという議論が学内で出てきた」とし、嶺重淑大宗教主事は「統一協会とキリスト教が一緒だと誤解している人がいる。両者は明確に違うことを伝えたかった」とこの発表に至った経緯を話した。
声明文では関学大が立つキリスト教信仰の土台はメソジスト教会源流のプロテスタントであり、旧統一協会とは全く関係はないとしている。打樋宗教総主事は「統一協会が自称する『教会』という文字は当団体が主張するものである。聖書を使うなど、キリスト教の一部を取り入れているが、本学のキリスト主義とは全く異なるものである」と話す。また関学大が伝えたい宗教像について「キリスト教主義学校として創立時から宗教を強要せず、キリスト教の価値観をもとに人を育てていくことを大切にしてきた通り、これからも続けていく」と説明した。
声明文の後半では「信教の自由」を尊重すると明記した上で、なんらかの団体によって個人の自由が侵害されている被害事例が報告されているとしている。2人は「今回の件で少しでも違和感を持ち、不安になっている人は、相談してきてほしい」と話した。(松本亘平)