関西学院大学西宮上ケ原キャンパスの時計台をバックに、中央芝生の芝をせっせと刈っているのは、先月17日に導入されたロボット芝刈り機だ。深夜から早朝にかけて、学生が居ない寝静まったキャンパスで、2台のロボット芝刈り機が静かにライトを光らせている。
稼働しているのは、スウェーデンの大手チェーンソーメーカー・ハスクバーナのロボット芝刈り機「オートモア」で、大きさは31センチ、重さは約14キロ。あらかじめ設定した場所を走行し、障害物にぶつかると向きを変える。電動式で、充電が必要になると自動で充電場所に戻る。全地球測位システム(GPS)が付いており、業者がスマホの専用アプリでいつでも稼働状態を確認できる。
ロボット芝刈り機の導入を提案したのは、大学が業務を委託する宝塚緑化株式会社(兵庫県宝塚市)。従来は、週に数回、5人ほどで機械を使って刈っていたが、同社の工事部部長・関西学院作業所所長の岡崎真琴さん(44)は「音が大きいため、1時限開始前の早朝に作業するしかなく、人材の確保が難しかった。雨が降った時は、芝生に車輪の跡が付いて汚くなっていた」と話す。
ロボット芝刈り機を導入することで、日時や天候を選ばずに作業できる。人件費が減るため、経費は従来の半分で済むという。軽いため車輪の跡が付かず、雨が降っても奇麗な芝生の状態を保てる。社内からは「早朝に弁当を用意する必要が無くなった、と妻が喜んでいる」との声があったという。
先週は日中にも稼働している日があり、初めてロボット芝刈り機を見たという女子学生からは「びっくりした。小さいながら頑張っている姿が可愛い」という声が上がった。少し離れて見守りながら写真を撮る学生の姿もあった。
現在はテスト中で、13日以降に本格導入する予定。生け垣など、ロボット芝刈り機が作業しづらい場所は従来のように手動で刈る。(坂田愛奈)