全日本大学対抗テニス王座決定試合の第5日は12日、愛媛県総合運動公園(松山市)であり、関西学院大学庭球部男子は3位決定戦の相手として近畿大学と対戦した。あとの試合の流れを作るダブルスでファーストセットを総取りするも、勝ち取れず。シングルスの2勝を含め2-7で敗れ、4位で今大会を終えた。
「第1セットは互角に戦えていた」と関学大の内田雅人・男子部監督が話すダブルスは、序盤から互いにゲームを取り合う展開となった。
中留諒太・其田怜ペアは第1セットから熾烈(しれつ)なラリーを繰り広げ、タイブレークの末、1セット目を7-6で勝ち切った。しかし、2、3セット目は相手の猛攻にあと一歩及ばず、3-6、4-6で敗戦した。
増成拓也・智也ペアは第1セットを7-5で制した。第2セットは5-7で奪われるも、第3セットは再び両者譲らない接戦となった。智也選手が前衛の攻撃を効かせると、拓也選手がロブショットで相手の意表を突くプレーもあったが、6-7で惜しくも敗れた。
篠田玲・堤野竜司ペアは相手のサーブに苦しめられリードを許すが、多彩なショットでラリー戦を制し6-4で1セット目を獲得した。しかし、第2セットを1-6で落とし、第3セットは相手の積極性に押された。ミスショットをした堤野選手は思わずラケットをたたきつけ、悔しさをあらわにした。その後も流れを戻せず1-6で終了。ダブルス3試合は全て敗北となり、表彰台はシングルスにかかった。
この日、ダブルスの中留選手が今大会初めてシングルスのオーダーに入った。シングルス起用について内田監督は「(関西学生リーグの)同志社大学戦で彼が勝負を決めたことで王座につながった。次期主将としてこの経験を通じて、より責任感を持ってほしい」と理由を明かした。
中留選手は近畿大の奥地佑都選手と対戦。第1セットの序盤は互いに譲らない攻防を見せるも、次第に相手のサーブを落とすなどミスが多くなった。2セット目も奪われ、敗北した中留選手は悔しさを顔ににじませていた。
堤野選手は、1年生ながら3時間に及ぶ好ゲームを繰り広げた。第1セット目は相手にリードを許してしまう苦しい展開だったが、タイブレークまで続いたラリー戦を制しこのゲームを奪う。しかし、2、3セット目は厳しいラリー戦を粘るものの、惜しくも敗北した。
残るシングルスで其田、増成智也両選手がフルセットを勝ち取るも、試合は2-7で近畿大に敗れ、4位でこの大会を終えた。
引退となる末吉悠人主将は「試合前練習から声が出ていて雰囲気が良かったが、ファイナルセットの近畿大が強かった。競り勝てるようになれば関西1位に、慶應大にも勝てる」と試合を振り返り、次の主将である中留選手に「主将としても、選手としても頑張ってほしい」と託した。中留選手は「(末吉主将は)最後までまとめてくれた。後輩たちがいきいきとテニスができるようにしたい」と答え、新しい主将としての姿勢を見せた。(松本亘平、西村遼、岡﨑亮太)