関西学院大学神戸三田キャンパスにVIII号館が完成し、5日に竣工(しゅんこう)式が開かれた。学部再編に伴い建設した新館には、分散していた教室や事務室を集結させる狙いがある。屋上には口径40センチの反射望遠鏡を設置した天体観測ドームが設けられ、理学部物理・宇宙学科の学びの場として利用される。
VIII号館はキャンパス内のバスロータリーの北隣にあり、建築面積は約1911平方メートルで地上4階建。教室は17室あり、4階の教室は全て200人を収容できるようになっている。テープカット、除幕式の後に始まった式典は約100人が出席し、中道基夫院長は「(VIII号館が)関西学院全体に新しい意味を与えてくると思う」と話した。
VI号館や各学部棟等にあった事務室は、一部を除き全てVIII号館に移転する。事務機能の集結は情報や人材の一元化によって作業や情報共有の効率を高め、学校経営おける長期計画の一つである事務組織の再編の一環とされている。
新棟の建設は研究のための場所を増やす目的もある。新たに教室を増設することで、以前使っていた他の棟の教室を研究室として活用する。天体観測ドームは授業での活用だけでなく、三田市等と連携した地域交流の場として利用が見込まれる。
式典で村田治学長が「(大学として)先進的なこと」と話すのは、1階の入り口付近にあるパウダールームで、研究用の服装への着替えや身だしなみを整える場所として利用される。女性用のトイレの数が他の棟よりも多く、女性が積極的に利用できる環境を推進している。今後、生理用ナプキンの無償提供の企画も行う予定だ。(柴崎辰徳)