利用激減で大学生協が経営危機 「登校したら生協を利用して」

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 関西学院大学生活協同組合(関学生協)は10月23日、今年度末の決算が過去最大の2億2千万円の単年度赤字となる見通しを発表した。新型コロナウイルスの感染を防止するため、キャンパスへの入構や対面授業が大きく制限され、店舗の利用者も大きく減ったことが響いた。関学生協の池上正寿専務理事は「登校したら生協を利用して助けて欲しい」と訴えた。

 大学がキャンパスの入構を制限した春学期はほとんど営業できない状態が続いた。秋学期が始まった9月23日に制限は解除されたが、現在も利用者は例年の約2割に留まっている。課外活動が再開し、学生が戻ってくると予想していたが利用者は少ないままだという。

 関学生協は事業経費の削減や職員への休業指示、店舗の改装といった新規投資を見送るなど対策を取っている。損失が出ないよう店に並べる商品の数を調整し、現在も時間を短縮して営業している。学生の利用が戻らず、十分なサービスを提供できないでいる。

 生協は大学の学生や教職員の出資金で運営している。学生が快適な大学生活を送れるよう、食事や住まい、保険や旅行など多方面から学生を支える仕組みを担っている。池上専務理事は「学生を理解し、寄り添った運営をするのが生協。学生に合った価格で提供し、学生の生活を守っている」と述べた。

 京都大学や大阪大学の生協も経営危機を訴え、登校時の利用を呼びかけている。オンライン授業の実施で学生がキャンパスに来なくなったことが大きい。京都大学の生協は9月30日の声明で、今年の決算で3億円の赤字見込みを発表している。 (難波千聖)

生協の食堂では新型コロナウイルス対策で入店前の手洗いと消毒を求める=10月29日、西宮上ケ原キャンパス旧学生会館1階

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