関西学院大学広報室は3月、2023年度秋学期の卒業生に向けた特別企画「Soar toward the future.」を展開した。
企画では、阪急神戸線、宝塚線、京都線の車内に関学大の卒業生へのメッセージを載せた広告を掲載した。メッセージは関学大のOB・OGや後輩等から募集したものだ。
例年行っている卒業生企画。広報室は毎年その学年にとって最も相応しいメッセージは何かを考えている。
「人はこれを思い出と呼ぶらしい」。中吊り広告につづられた2つの詩はこの一節で結ばれる。例年、未来志向のメッセージが主流だった中、今回はあえて「過去」に焦点を当てている。
2023年度卒業生は大学生活の大半をコロナ禍に見舞われた。考案者である広報室の梁島稜さん(29)は、卒業生たちが厳しい状況下でも課外活動や勉学に真剣に取り組んだことを振り返ってもらう機会を作りたいと思い、今回の企画を考えた。
梁島さんは「孤独の中でも全てが暗かったわけではなく、何か明るいものがあったはず。それを見つめ直して欲しかった」と企画に込めた思いを語った。また、完成した広告について「この広告をきっかけに学生時代の思い出を振り返る卒業生がいたらうれしい」と語った。 (林諒太郎)