関西学院大学の学園祭「新月祭」が神戸三田キャンパスで10月22日、23日に、西宮上ケ原キャンパスで11月5日、6日に、西宮聖和キャンパスで12日、13日にあった。今年は2019年度以来3年ぶりとなる対面での実施となった。3年ぶりの対面開催に実行委員は手を焼きながら運営した。
「出店団体の店舗準備が十分でないために、運営との連絡が滞った」と新月祭実行委員の木村芹菜さん(総合政策学部2年)は話す。木村さん自身、対面での学園祭は初参加で、緊張しながら運営したという。また、実行委員の中では来場者管理に苦労したという声もあり、運営の負担がオンライン開催以上に大きかった。
谷川えれなさん(総合政策学部2年)は、今回が初めての出店。所属するボランティアサークルで、牛タンの入ったつくねを販売した。
「対面を経験したことがあるのは4回生のみで、準備がとても大変だった。段取りや用意するものが分からないなど困難がいくつもあった」と眉をひそめる谷川さん。学園祭を経験した先輩が4年生のみなので、当日の開店準備にかなりの時間がかかった。「当日まで出店できないかもしれないと思ったが、結果としてうまくいった」と明るい表情で話した。
三田実行委員企画では、2日間共に様々な企画を用意した。2日目のトークショーでは、俳優の塩野瑛久さん(27)がゲストとして出演した。毎年人気を博すというトークショーには、県外から参加した人もおり、多くの人が軽快なトークに耳を傾けた。
キャンパス付近に住む東由香里さん(60)はコロナ禍以前から毎年学園祭に足を運んでいた。「コロナ前と比べると活気があまりない気がする。以前のような活気を取り戻してほしい」とし「これから先どうなるのか分からないけれど、来年、再来年も新月祭を楽しみにしている」と期待を寄せた。(岡﨑亮太)
SDGsを推進する団体も
「予想以上の来場者に驚いています」
そう話すのは「KG SDGs キャンパスサポーター」に所属する坂井瑞希さん(商学部3年)。団体は古着の無料配布とフェアトレード商品であるブレスレットを販売した。
「KG SDGs キャンパスサポーター」は、昨年12月に結成。今年度から本格的に活動を始めた。団体は卒業生の原田瑞穂さんに賛同し、学内でSDGs(持続可能な開発目標)に関する活動をしたいと考えた学生が集まり設立した。現在、3年生を中心に20名ほどが参加している。
今回、二つの目的から新月祭への参加を決めた。
一つ目は、団体の認知度を向上するためだ。他団体との交流やイベントでの集客数の増加につなげることで、より多くの人にSDGsへの理解を促すことを目標にしている。また、新入部員を募集し、活動規模の拡大を目指している。
二つ目は、ファッションの問題についてより多くの学生に興味を持ってもらうためだ。「解決方法として、ファストファッションをやめて高い服を購入するというのは違うと思う。一着一着、長く大切に使うことが大切。古着を通して学生に気軽にファッションを楽しんでほしい」と話している。(石本理子)