関西学院大学は1日、新型コロナウイルスの影響で経済的に苦しい学生を支援しようと生協の売店や食堂で食事を100円で提供する取り組みを始めた。同大学の学生や高等部、中学部の生徒が対象で、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」を提示すると利用できる。
西宮上ケ原キャンパスの生協売店では3種類の丼や弁当を用意した。生協食堂では日替わり定食「サンキューセット」やカレー、麺類が対象になる。期間は12月1日から23日までだが、予算が無くなり次第終了する。
アルバイトの収入が減った学生を支援しようと、後援会が予算を用意した。「COCOA」の使用を学生に促すほか、利用が減り経営が厳しい生協を支援する狙いもある。
開始から4日間で西宮上ケ原キャンパスの生協食堂では全利用者の約7割に当たる3140人が利用した。生協食堂の責任者、佐々木満部長(58)は「予想以上に好評で、100円のメニューが全て売り切れないよう、メニューを途中で変えるなど工夫している」と話す。
生協売店で提供している丼や弁当は、その日に用意した分が、昼休み前に売り切れるほど人気だという。7日以降は数を大幅に増やして提供している。
利用した文学部3年の横枕明依さんは「量も味も変わらず、この安さで食べられてうれしい」と話した。
大学内の、生協以外の飲食店も参加している。西宮上ケ原キャンパス新学生会館1階の「東京庵」では、全メニューが対象。300円以上の支払いで300円引きになる。店主の中口みどりさん(47)は「体育会を応援したいという思いもあり参加した。たくさん用意しているので来てください」と笑顔で話した。
生協食堂では、入店時の手洗いやアルコール消毒を徹底している。利用者から感染者が出ないよう人との距離を保ち食事中の会話も控えるよう求めている。「食事をしながら話したいと思うが、感染防止のため控えてほしい」と佐々木部長は呼び掛けた。 (難波千聖)