薬物問題に揺れる関学大アメフト部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

 日本アメリカンフットボール協会は8月30日、今年6月にカナダで開催されたU20世界選手権に日本代表として選出された関学大アメフト部の5名に、複数の重大な規律違反がみられたことを報告した。この規律違反は、大麻含有製品の蓋然性がある物質を所持・使用したことを含むものであった。

 これに対して同部は事件発覚からその対応までの経緯を会見で公表した。対応としては当該部員に対して毛髪検査の受検の勧告を行ったと説明した。また、部員に対して違法薬物に対する啓発活動を強化するとしている。

ここで問題となっているのが、当該部員のうち1名が毛髪検査を拒否したことだ。

 毛髪検査の特徴として、薬物を使用してから数週間経っても成分が検出されることがある。当該部員5名は既に尿検査を実施しており、結果は陰性であったが、尿検査には1週間もすれば薬物の成分が検出されなくなるという問題がある。

同部は当該部員のうち1名が毛髪検査を拒否した原因として、一方的なデマの拡散や協会の高圧的な態度に対する抗議の意志があると説明したが、依然として疑念は晴れることがない。

また、このような状況下で、インターネット上では伝聞や憶測による情報が散見されている。同部は名誉権やプライバシーの侵害ともなるこの問題に対して注意を呼びかけた。

 日本国内でも有数の伝統を誇る関学大アメフト部は、今一度その在り方を問われている。威信の回復の為には毅然(きぜん)とした対応が必須となる。       

(宝本拓夢)

関連記事

ピックアップ記事

  1. 2024-10-11

    日本人学生派遣数関学大が第1位に その要因とは

     ネブラスカ大学オハマ校の英語中期留学に参加した学生の写真=CIEC提供   関西学院大学は…
  2. 2024-10-11

    実際的な学習機会を カンボジア勉強会開催

    勉強会中の様子=8月13日、JICA関西(独立行政法人国際協力機構関西センター)、松浦颯太郎撮影 …
  3. 2024-10-11

    「荒れる成人式」が民俗学?社会学部長編『現代民俗学入門』

    社会学部長の島村恭則教授=本人提供  民俗学と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。多くの人は古…
ページ上部へ戻る