文化総部絵画部「弦月会」は1915年の創部で長い歴史を持つ伝統ある部活だ。卒業生の多くが美術界で活躍し、現在は51人が所属している。
弦月会は基本的に「自由」だ。部員は模写ではなく思い浮かんだイメージを描く。他の部とは違い特定の活動日はなく、先輩が後輩に何か直接指導することは少ない。
しかし、年に数回、学内・学外で行われる展覧会の時は部員一丸となる。学年ごとに振り分けられた役目を協力してこなす。
今年の4月にはコロナ禍では初となる学内での展覧会を開催した。ガイドラインの順守や二酸化炭素センサーを設置するといった感染症対策を要した。昨年は学外でのみの展覧会開催にとどまっていたため、学内特有の会場設営に関するノウハウを知らない部員が多くいる状態だった。それでも4年生の助けを借りながら、無事に開催することができた。
学内の展覧会は学外とは違い、多くの関学生と触れ合え、入部希望者との出会いの場としての役割も担う。
また、印象に残った作品や会場全体の感想を来場者に回答してもらうアンケートは部員の意識にも影響を与えている。「作品に対する高評価は多くの部員にとってモチベーションの向上につながっている」と部長の砂原優花さん(経済学部3年)は語る。
10月に学内で開催するフィクション展では1年生が中心となってテーマを決定した。緻密で綺麗な作品を好むという1年生のカラーが表現される作品を創り上げた。
11月には新月祭、12月には今年1年の集大成となる弦月会展がある。弦月会展では、昨年度は出来なかった似顔絵イベントの開催を検討している。
砂原さんは「コロナ禍で混乱した部分を再建し、後輩に託していきたい」と話す。これからも弦月会の歴史は受け継がれていく。(石本理子)