(部室だより)体育会カヌー部  「水上のF1」 目指す日本一

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 関西学院大学体育会カヌー部は現在1年生13人、2年生7人、3年生13人の計33人が所属している。長期休み期間は火曜日から木曜日と土日の週5日練習があり、授業期間は月曜日以外の曜日に練習がある。部員の多くは、平日の授業の入っていない時間も練習に費やしている。主な練習場所は兵庫県芦屋市にある兵庫県立海洋体育館とその近くに流れる宮川の2カ所だ。

 数あるカヌー競技の中で、関学大カヌー部が取り組んでいるのは「カヌースプリント」である。

 カヌースプリントは指定されたコースをいかに早くこぎ切るかを競う競技だ。カヌースプリントはカヤック部門とカナディアン部門に分かれる。カヤックは長座の姿勢でこぐが、カナディアンは膝立ちでこぐ。オリンピック種目であるカヌースプリントは「水上のF1」と称されるほど、スピード感と迫力がある。

 カヌー部の目標は「日本一」であり、今年の夏に控えている「全日本インカレカヌースプリント選手権」や「関西学生カヌー選手権大会(カンカレ)」に向けて、日々鍛錬を重ねている。

 カヌー部は、日本一のチームになるために部員同士の雰囲気づくりを大事にしているという。辻航大主将(商学部3年)は「アットホームなところがこの部の魅力。先輩と後輩の関係を崩さないようにしつつもフランクに接することで、チームメイト同士の障壁が無くなる」と語った。

 また、陸地でウォーミングアップが終わった後に、グループになって各メンバーが自身の目標を共有する時間を設けている。西條花菜主務(経済学部3年)は「部員それぞれが自身の目標を全体に発信することで、チーム全体の士気が高まる」と話した。

 西條さんは、部の最高学年として「下の学年を盛り上げるためにも、後輩への声掛けを大事にしたい」と意気込んでいる。

 マネジャーとしてチームを支えている川崎ふみ花さん(経済学部3年)は、先代の主将から「マネジャーの頑張りが、チーム全体のモチベーションアップにつながる」という言葉を受け止め、「何事にも全力で取り組み、みんなのモチベーションになりたい」と目標を掲げた。

 日本一に向けて必要なのは「完成度」だと辻主将は語る。「単純に競技力があるメンバーだけ集めて優勝しても意味がない。メンバー一人一人が『どうしたら早くこげるのか』『どれだけ今自分が本気になれているのか』を意識する。少しでも上のステージに上がるために、妥協せず努力し続けることが大事」と自分を磨く大切さを説いた。

 また、2人乗りや4人乗りの種目では、個人の競技力もさることながら互いの連携も重要である。辻主将は「10人いれば、10通りのこぎ方がある。ペア(2人乗り)でメダルを取るには、2人の息が合っていないと難しい」と述べた。

 何かに打ち込むことは結果として人を成長させる。部活動を通して何かをやり遂げたならそれは財産になる。体育会カヌー部は大学に入ってから競技を始める人も多い。「日本一」という目標は、パドルをこげばこぐほど、確実に近づいている。(木下皓太郎)

滋賀県での大会にてカヤックを漕ぐ選手=2023年2月25日、「みんなで目指す日本一」、西條花菜さん提供
宮川(兵庫県芦屋市)にてカナディアンを漕ぐ選手=2023年2月25日、「みんなで目指す日本一」、木下皓太郎撮影

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