関西学院大学博物館は2月19日から4月20日までの2か月間、平常展「校歌制定90周年 《空の翼》展」、特集陳列「井原西鶴没後330年記念 関西学院大学図書館所蔵西鶴貴重本展」の2つの展覧会を開催している。
今回の展覧会は関西学院の校歌である「空の翼」が2023年度で制定から90周年を迎えたことを記念して開催に至った。展覧会では、「空の翼」の制作過程を関連資料とともに展示している。また、併せて井原西鶴の作品も数点展示している。特集陳列は前期と後期に分かれており、展示替えも行う予定だ。
展示の目玉となるのは、「空の翼」の作詞者である北原白秋の自筆原稿と作曲者である山田耕筰の自筆譜だ。これらはどちらも実際に「空の翼」の制作過程で用いられたものであり、展覧会に訪れた観客はその当時に思いを巡らすことができる。
展示室内には当時の関西学院大学の時計台にタイムスリップをしたかのような写真を撮影することができる撮影スポットも併せて設置している。
展覧会を開催した目的として、関西学院大学博物館で学芸アシスタントを務める深谷佳那さん(26)は、「関西学院大学の学生に『空の翼』を身近に感じてもらい、歌ったり聞いたりする機会をもっと与えたい」と語った。この言葉の背景として、「空の翼」の校歌制定には、関西学院大学の自治組織である学生会が深く関わっていたことがある。
当時の学生が制定した校歌「空の翼」は、今回の展覧会で学生たちにより身近なものとなっていく。 (宝本拓夢)