関西学院大学は5月10日、西宮上ケ原キャンパスにて、サーロー節子さん(91)に名誉博士学位記と関西学院賞を授与した。授与式には多くの学生や卒業生が参加した。
節子さんは関西学院と関係が深い広島女学院の高等女学校在学中に爆心地から1.8キロメートル離れたところで被爆。以後、核兵器の恐ろしさを伝えるために活動している。2017年にノーベル平和賞をICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が受賞した際は、代表として演説した。
授与後、節子さんは「ただ感動と感激で言葉がない。関西学院の宣教師だった夫も天国で私たちと共に喜んでくれていると思う」と語った。
記念講演では自身の平和への思いや核兵器反対運動について話した。「皆さんの周りにいる多くの先生の支えを受けて、長年の日本政府の矛盾に満ちた核戦略について学んでほしい。そして政府にあなたたちの声を届けてください」と力説した。
ビデオ上映では、ノーベル平和賞受賞時のスピーチ映像が流れた。「このビデオは何回も見たが、見るたびに胸がいっぱいになる。生きている間にこのような多くの素晴らしい同志ができたことは私の人生の掛け替えのない大切な財産となった」と当時を振り返った。
講演後に職員や学生から花束を受け取ると大きな拍手に包まれた。(石本理子)