関西合唱コンクールの大学職場一般部門が10日、兵庫県伊丹市の東リいたみホールであり、大学ユースの部・大人数で、関西学院グリークラブと混声合唱団エゴラドが金賞を受賞した。グリークラブは12回連続で関西代表としての全国大会出場となり、平見佳久部長(教育学部4年)は「うれしさよりも安心が大きい」と心境を語った。6年ぶりの金賞となったエゴラドの守屋太郎部長(文学部4年)は「コロナ禍で金を取れたのはでかい」と笑顔を見せた。
「全国に行けないとOBに顔向けできないし、自分たちのメンツが立たない。とても大きなプレッシャーがあった」
グリークラブの平見部長は受賞が決まった後、例年のような余裕はなかったと話した。「他団体の仕上がり具合が分からない状況で大会に臨んだ。10年以上続く全国出場を、自分たちの代で止めたくなかった」と大会前の心境を振り返る。関西合唱連盟のホームページで結果が発表された時の様子を「3、4年生は安堵(あんど)に、1、2年生はうれしさに包まれていた」と話した。
「前回金賞を取った人たちがいない中、今いるメンバーで最高のものを作りたかった」
本来エゴラドでは3年生が部長を務めるが、今年は4年生の守屋部長が担当している。守屋部長は「学生だけで部を運営することは難しいが、強みでもある。意識したのは、頑張りたい人が頑張れる環境を整えることだった」と振り返った。コロナ禍で他大学の合唱部が廃部している例を挙げて「金賞を取れたことはもちろん、今活動できていることが誇らしい」と思いを語る。
コロナの影響で活動に制限がある中、グリークラブとエゴラドは協力して大会に備えていた。大学への申請の提出方法や、どこに練習できる場所があるかなどの情報交換を通じて、互いに励ましあったという。「一つの大学から大人数での出場が二つもできた。グリーと一緒に金賞が取れてうれしい」と守屋部長。
グリークラブが出場する全日本合唱コンクール全国大会は、11月20日に岡山シンフォニーホール(岡山市北区)で開催される。(西村遼)