「自分も同じ啓明だったからこそ、伝えられることがある」
そう話すのは関西学院大学理工学部卒業で、啓明学院中学・高等学校教諭の前田慧一朗さん(27)だ。前田さんは数学の教鞭を執っており、自身も同中学・高等学校の出身だ。
前田さんが教諭を目指したきっかけは神戸市の公立校で教諭として働く両親である。「先生という職業が忙しいのは知っていた。でも(両親の)その姿に憧れた」と語った。
中学受験で無事合格し、入学。啓明学院の9割ほどの生徒は内部推薦で関学大に進学する。そのため、前田さんは学年順位をあまり気にしていなかった。しかし高校2年の時、学年で上位4人しか選ばれない優等賞に5位で一歩届かなかったという事実を聞かされ、悔しさから勉強に熱が入った。
「理系科目で得点を稼いでいった」と話す前田さん。高校3年時には学年1位となり、目標の優等賞に選ばれた。その後、得意である数学の教員免許が取れる理工学部数理学科に進学した。
関学大に進学後も、啓明学院の学生が関学大所有の千刈キャンプにて行うイベントの本部リーダーとして、母校と関わり続けた。生徒たちと関わる中で「啓明学院に戻りたい」と感じるようになり、卒業後、啓明学院の数学教諭となった。
教諭として心掛けていることはメリハリを作ることだ。
「高3生は自由にやれることも多い。だからこそ、ダメなことははっきり言うようにしている」と話す。また、生徒には何かに挑戦をしてみてほしいという。「学校は失敗するところ。生徒たちには失敗後にくよくよさせないようにしている」と語る。
前田さんの強みは啓明学院の先輩として、中・高校時代の教訓を語れることだ。「チャンスをつかみに行くためにはどのような行動をとるべきか伝えられる。それが彼らの良い成長につながれば」と述べた。
今後の目標について「啓明学院生が今よりもさらに成長できるように頑張っていきたい」と語った。(松本亘平)