大森啓助企画展開催 大学博物館 色彩表現に優れた油彩画など  全44点が初公開

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 関西学院大学博物館(西宮上ケ原キャンパス時計台2階)で、企画展「美術と文芸シリーズ 新収蔵品 洋画家 大森啓助コレクション展」が10月17日に始まった。神戸市出身の洋画家・大森啓助(1898―1987)の油彩画25点とスケッチ等19点が初公開となる。展示は12月17日まで。

 関西学院の卒業生を見つめる「美術と文芸シリーズ」の第2弾となった本企画展は、2019年にご遺族の大森房子さんが博物館に寄贈した作品を展示している。作品は3章構成で紹介される。

 1章は、雑誌に描かれた挿絵と、その練習用の作品(習作)との対比が見どころだ。雑誌内の文中には、大森氏が挿絵を描くに至った経緯が詳細に述べられている。学芸員の倉田麻里絵さんは「企画にあたりスケッチと似た挿絵を見つけたため、挿絵と並べて展示している」と解説し「雑誌や習作を丁寧に記録しスクラップしていたことから、(大森氏は)マメな人物であったことがうかがえる」と推察する。

 2章では「水の流れ、岩や海産物たちの色と形に注目してほしい」と語る力強い壮大な自然が、3章では暮らしや趣味をテーマとした作品が並ぶ。倉田さんが「個人的に一番好き」という『不詳(秋サバ)』を始め、歌舞伎や園芸を題材とした作品は大森氏の暮らしぶりの一端が垣間見える。

 開館時間は午前9時半~午後4時半、休館日は日曜日と祝日。観覧料は無料。(柴崎辰徳)

大森啓助(1898―1987)
1916年に関西学院高等学部商科に進学し、在学中に絵画部・弦月画会(現・弦月会)と出会い、洋画の道へ。卒業後は日本画家である金山平三(1883―1964)に師事した。1926年にフランスへ留学すると、同年にサロン・ドートンヌに初入選。帰国後も活動を続け、優れた色彩表現で描かれた絵画や合わせて行った執筆によって人々を魅了した。神戸市出身。

企画展の様子=11月16日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス松本亘平撮影

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