「自分と相手の思いが通じあったときが一番面白い」
こう語るのは関西学院大学社会学部卒業生の三宅直基さん(59)だ。障害福祉サービス事業、介助者養成事業を行う特定非営利活動法人かめのすけの代表を務めている。
障害者支援の活動を始める契機となったのは1991年に青年海外協力隊員としてスリランカで活動した経験だった。村おこしのために訪れたスリランカで障害を持つ人々と深く関わり、そこに面白さを感じた。その後日本に帰国し、横浜の障害者施設で介助活動を始めた。
三宅さんの活動の原動力は利用者の笑顔だという。「障害者は怖い、かわいそうだというイメージを持つ人もいるかもしれないが、彼らは一生懸命生きていて、やりたいことを持っている。笑ったり泣いたりする同じ人間だと伝えたい」と障害者支援活動への思いを述べた。
関西学院大学で過ごした学生時代については「他人に強制されるのではなく、自分のやりたいことをたくさんやらせてもらった。充実した4年間だった」と話した。
学生時代最も印象的だったのは鳥越皓之教授のゼミでのフィールドワークだ。現地の人との交流を通して得た学びは机上の勉学では得られないものだったと振り返った。またアジア協会アジア友の会のワークキャンプ活動や宗教総部献血実行委員会での活動にも積極的に取り組んだ。これらの活動で身に付けた人前で話すことに物怖じせず、理解してもらうために伝える力は現在の活動につながっているという。
三宅さんは学生へのメッセージとして「答えを求めすぎないでいい。失敗してもいい。自分がやりたいと思うことに挑戦し、学生の4年間を大切に過ごしてほしい」と語った。(石黒和加奈)