ノルウェー科学技術大学で演技を学ぶペトラ・アウルサンさん(20)は、昨年9月から関西学院大学で日本語を学んでいる。今春からは日本の演劇、特に能について学ぶ予定だ。ペトラさんの将来の夢は映画俳優。夢に向かってノルウェー科学技術大学では役者として実践を積んでいる。
ペトラさんが演劇に魅了されたきっかけは13歳までさかのぼる。演劇の授業でシェイクスピアや彼の作品である「ハムレット」について学び、劇場で演じたという。役を演じる楽しさに気付き、高校と大学で演劇を学ぶ決意をした。
ペトラさんは喜劇や悲劇など多様な舞台を経験してきた。中でも一番印象的な演目に「the hangar」を挙げた。世界崩壊後も生きようとする人間の強い意思がテーマだと語る。悲しい過去をもつ役を演じたペトラさんは、役になりきり思わず泣いたことがあると振り返った。
演技だけでなくアジアやアフリカの演劇もノルウェーで学んだ。ノルウェーには、バイキングの歴史にまつわる舞台が数多く存在する。
ノルウェーと日本の伝統芸能の共通点は題材だという。「北欧神話の悪霊として描かれるトロールと日本の鬼など精霊が登場するところが似ている」と話した。
数多くの言語の中からペトラさんが日本語を学ぼうと決めた理由は、映画界で日本語は重要な位置にあると考えたからだ。「高いスタントの技術を持つ日本人武道家が西洋の映画に出演することがある。西洋の役者も日本語を話す必要があるため、日本語を話せることはとても大切だ」と語った。(上田 帆乃佳)