正規留学生の約3割が入国待機 大学職員の苦悩も

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 新型コロナウイルスの影響による水際対策によって、関西学院大学では、入学から卒業までの4年間を大学で過ごす正規留学生900人のうち、約3割となる約220人の外国人留学生が入国できていない。230人の中で100人が入国を希望し、現在入国に向けて動いている。その他の130人には、休学中の学生も多いという。関学大の国際連携機構の担当者は「状況は厳しいが、一日でも早く、留学生に入国してもらえるように支援したい」と話す。

 関学大では、入国できていない留学生に対して、オンラインでイベントを実施。「バーチャル京都ツアー&学生交流イベント」として、京都の観光スポットをバーチャル映像を使用して紹介したり、国内の学生と学生生活について話したりしたという。参加した学生からは「低下していた在学の継続意欲が高まった」、「大学側が留学生の置かれた状況を理解する姿勢が感じられた」という感想が多く寄せられたという。

 留学生の対応をしている大学職員にも苦悩がある。「留学生たちが『失われた』と感じている、日本での日常や授業内外での友人との交流、キャンパスでの生活への絶望や孤独感を受け止めることはできても、実際にできる支援が少ない」と嘆く。

担当者は「新規入国の手続きによって、膨大な手続きが大学に課せられている」と吐露する。11月上旬に入国規制緩和の動きが出た際には、隔離先となるホテルの手配や航空券の管理、必要な書類を学生から紙の原本でもらい、国へ送付するなど煩雑な業務を強いられた。現在はオンライン化する作業なども少しずつ増えているというが、国からの「大学が留学生を管理する」という前提のもと、入国作業を進めている。

入国を待機している留学生は全国で15万人で、1日の入国制限は7000人。政府は5月末までに、留学生の入国を完了させたいとしているが、関学大では、新学期開始直前の情報公開だったこと、待機人数と1日あたりの入国者数から、難しい予測しているという。(林昂汰)

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