(この学生に注目)虹を見たければ、雨を経験しなさい――。この言葉を信じて 田中葵さん

この学生に注目!

 去るコンテストのステージで、ひときわ凛とした笑顔を振りまいた女性がいる。関西学院大学社会学部4年の田中葵さん(21)だ。

 大手芸能事務所「セント・フォース関西」に所属し、「ミスキャンパス関西学院2025」では、グランプリを獲得し、「MISS OF MISS CAMPUS QUEEN Contest 2026」に出場し、6冠・グランプリを獲得するなど様々な芸能活動に挑戦を続けている。

 セント・フォースは、フリーアナウンサー、タレント、キャスター、リポーターのマネジメントを主軸とする芸能事務所だ。女性フリーアナウンサーの最大手として知られ、多数のメディア出演者を抱える。田中さんは、「ミス・ミスターキャンパス関西学院」への出場がきっかけで話題となり、事務所の目に留まった。

 そんな彼女だが、その素顔は「極度の人見知り」に悩み、自分を変えたいとあがいた一人の大学生だった。挫折を力に変え、憧れのアナウンサー職へと突き進む彼女の軌跡を追った。

 「かつての私は、教室で発表するだけで声も足も震え、涙が出てしまうほど内向的でした」。

 現在の華やかな活躍からは想像もつかない言葉を、田中さんは真っ直ぐな瞳で口にする。中学生の頃は、人前に立つプレッシャーから落ち込む日々も経験した。そんな彼女を救ったのは、テレビ番組で高校生たちの「青春」を届けるアナウンサーの姿だった。

「言葉一つで誰かの日常に彩りを与えられる。そんな存在になりたい」。その憧れが、彼女の中に眠っていた「負けず嫌い」のスイッチを入れた。あえて最も苦手な「衆目に晒される場」であるミスコンへの挑戦を決めたのは、大学生活で何かを成し遂げたいという、自分自身への「宣戦布告」でもあった。

 コンテストではエントリーNo.1。常にトップバッターとして会場の空気を決めなければならない重責がのしかかった。しかし、ここで生きたのが中高6年間打ち込んだバトントワリングの経験。その経験が、彼女の土台である「最高の演技を届けたい」というストイックさを生み出した。自身のスピーチを動画で撮り、納得がいくまで数えきれないほど見直す――。その「努力の可視化」こそが、「獲得された自信」へとつながった。

 ミスコン活動期間中、彼女はSNSで決して「完璧な姿」だけを見せようとはしなかった。就活への焦りや多忙による疲れなど、等身大の悩みを発信し続けた。

 「雨に打たれることを厭わないからこそ、言葉に強さが宿る」座右の銘であるドリー・パートンの名言(※1)を体現するように、弱さを隠さない姿勢が多くのファンの共感を呼び、大手事務所「セント・フォース関西」への所属決定、さらに「ミス・ミスターキャンパス関西学院」のファイナルイベントで投票の末、ミス部門でグランプリを獲得した。

 グランプリという最高の栄冠を手にし、彼女は今、次なる目標に向かって突き進んでいる。「忙しいのがすごく好き。追い込まれている方が力を発揮できる」と言い切る。かつて震えていた挨拶も、エントリーNo.1としてトップバッターを何度も務めるうちに、今では「かなり慣れてきた」と確かな手応えを掴んでいる。

 社会学部で学んだ「他者の視点」を大切に、「常に誰かのために、一生懸命頑張りたい」という思いを胸に心を彩る言葉を届け、弱気な心という「雨」を「自分ならできる」という自己暗示で塗り替え、全力で走り続ける田中さん。彼女が見せる「虹」は、同じように何かに悩み、自分を変えたいと願う多くの人々の心を照らす光となるに違いない。

(越智優介)

田中 葵(たなか・あおい)
2005年(平17)1月4日生まれ、大阪府出身。関西学院大学社会学部在学中。セントフォース所属。2025年「ミスキャンパス関西学院」グランプリ。2026年には全国のミスキャンパスの頂点を決める「MISS OF MISS CAMPUS QUEEN CONTEST」でグランプリを受賞した。特技はバトントワリングや筋力トレーニング。165センチ、A型。

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法学部法律学科2年

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