(教授の背中)法学部善教将大教授 データで政治を解き明かす

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 関西学院大学法学部政治学科の善教将大(ぜんきょう・まさひろ)教授は、政治行動論を専門とする政治学者である。特に国政政党「日本維新の会」と地域政党「大阪維新の会」に対する支持の構造に関する著作や論文の公表で知られている。

 善教教授は広島県広島市出身だ。大学入学資格検定(現在の高等学校卒業程度認定試験)に合格した後、2002年に立命館大学の政策科学学部に進学した。姉が京都にいたことから、関東より関西に来たかった善教先生は自然と立命館大学を志すようになった。政策科学部の文理問わずさまざまな学問を学べる学際性も魅力的だったという。

 学部卒業後、都道府県の機能を研究するために、同志社大学の院に進学する。しかし、山田真裕・増山幹高の「計量政治分析入門」を読み、計量分析を学んだことを機に行政学ではなく、政治行動論の研究者の道を歩み始めた。

 博士号を取得してから間もない11年10月ごろ、大阪日本維新の会の代表であった橋下徹と同会幹事長の松井一郎がダブル選挙の実施を予定していると報道された。関西大学の坂本治也教授らと意識調査をすべきではと話し合い、日本維新の会への支持に関する調査を実施した。
その後も、善教教授は意識調査の実施を積み重ね、日本維新の会に対する支持の分析を続けている。

 しかし善教教授は、日本維新の会に関する研究はメインではなく、投票参加や政治不信がメインの研究テーマだと話す。

 職業としての研究者の魅力の一つは、時間を自身でコントロールできることだと語る。土日は必ず休暇を取り、子供と遊ぶなど家族との時間を大切にしている。

 現在、善教教授は民間企業と共同で新しい調査のシステムの開発を行っている。固定電話の利用者は年々減少し、携帯電話の利用者は日本で9割を超える。しかし、携帯電話を対象とする調査システムは、日本だとまだ発展途上だ。学術研究に利用可能な調査システムはほとんどない。善教教授は、研究者が安価にデータ収集を可能とするシステムの開発を目標にしている。(林諒太郎)

善教将大教授=2023年7月18日、善教教授研究室、林諒太郎撮影

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