総合政策学部は、幅広い分野を学ぶことができる一方、具体的に何を学んでいるのか分かりにくい学部でもある。今回、環境庁・環境省で勤務した経験を持ち、現在は総合政策学部で教べんを執る佐山浩教授に総合政策学部で学ぶ意義について聞いた。

佐山教授は、総合政策学部の大きな役割として「教養を身につけること」をあげる。総合政策学部には、大学入学時点で将来やりたいことが明確に決まっていない学生も多い。だからこそ大学の4年間を「生き方を探す旅」として自分の興味や将来の方向性を探す時間だと捉えてほしいという。
経済、政治、歴史、哲学など、さまざまな学問に触れられることは総合政策学部の特徴の一つだ。幅広い分野を学ぶことで、自分が興味を持てる対象を見つけ、そこから自ら深く掘り下げていく「T型」、そして、できれば複数分野を横断して課題を捉え、それらを組み合わせて解決する「π型以上」の学びを意識してほしいと、佐山教授は強く訴える。
そのために佐山教授が勧めるのが、興味を持った教員に自ら会いに行くことだ。学生自らが行動することで新たな人との出会いや学びが生まれる。「縁を大事にして、学部を超えて知り合いになれるチャンスである」。そうした経験
そのものが、大学で学ぶ意味だと佐山教授は話す。
佐山教授が繰り返し口にしたのが「教養」という言葉だった。技術は進歩し、AIをはじめ新しい技術が次々と登場する。一方で、歴史や哲学、地理などを通して身につけた知識や、それらをもとに物事を考える力は、時代が変わっても価値を持ち続ける。一見すると、直接的に仕事と結びつかないように思える学問も世界や社会を理解するための「教養」につながる。佐山教授は、幅広い学問を横断して学び、「教養」を身につけ、そこから自分の関心を見つけ、深めることができるという点にこそ、総合政策学部で学ぶ価値があると強調する。
佐山教授は学生に対して「豊かに生きてほしい」と話した。ここでいう「豊かさ」とは、経済的な豊かさだけではない。花を見て「きれいだな」と感じる。自然の中で美しいものに出会い、心が動く。そうした小さな感動を大切にできる人間として生きてほしいという。
大学の4年間は、人生の中では長いようで短い。しかし、その4年間で何を学び、誰と出会い、何に興味を持つかは、その後の長い人生にもつながっていくと佐山教授は力を込めた。
総合政策学部で学ぶことの意義は、自ら学び、行動し、さまざまな人や学問と出会いながら、自分自身の「豊かな生き方」をさがしていくことなのかもしれない。
(若栗航志)
