関学生のための時間割アプリ
履修登録の時期、学生はシラバスや時間割、お知らせを行き来しながら授業を選ぶ。必要な情報はあるが、すぐに見つかるとは限らない。そうした関学生の不便から生まれたのが、「関学生のための時間割アプリ」だ。App Storeでの総ダウンロード数は約2万件、Android版は1000件以上。ウェブ版には、重複を含めて延べ約19万アクセスがあったという。
開発したのは、2025年3月に総合政策学部メディア情報学科を卒業した種村圭依人さんだ。開発を始めたのは、大学1年生の秋だった。当初の機能は、時間割画面からシラバス情報を参照できるというもの。履修登録や授業前の確認で、複数のサイトや画面を行き来する手間を感じたことが出発点だった。
学内に散らばる情報を、学生の生活に沿って一つの画面にまとめる。そうした考えから始まったアプリは、2年生の春には友人も使い始め、3、4年生の頃には利用が広がっていった。
機能は利用者の声をもとに増やしてきた。アプリ内の質問箱などには、「こういう機能がほしい」という声が寄せられる。種村さんはその声を見ながら、必要だと判断した機能を順に実装してきた。休講やお知らせの通知、単位集計、教室間の移動情報、バスの時刻表などは、日々の利用の中で出た不便に応える形で加わった。時間割を確認するだけだったアプリは、授業前後に必要な情報をまとめて見られるツールへと広がっていった。
追加した機能の中でも反応が大きかったのは、友人の時間割を確認できる機能だ。履修登録時の相談や空き時間の確認に使われ、学生同士の予定調整にも役立っている。
利用者の声に応える中で、掲示板や授業レビュー、検索結果にレビューを表示する機能も生まれた。ただし、レビューを扱う機能には慎重さも求められる。授業に関する評価は、学生にとって参考になる一方、表現によっては誤解や不適切な内容につながる可能性があるためだ。
そのため、生成AIと目視を用いて投稿内容を確認し、表示内容に注意しているという。「シラバスの説明と実際の授業内容にギャップを感じた経験があった。だからこそ、評価機能には責任を持ちたい」と種村さんは話す。
機能が広がるにつれ、運営上の課題も生まれた。多様な端末への表示対応に加え、利用者ごとに求める機能も異なる。要望によって廃止したバス用ICカード機能の復活を求める声が寄せられるなど、意見が分かれることもある。それでも、種村さんは面白い提案であれば、何でも作るという姿勢を大切にしている。
アプリを通じて伝えたいのは、学生自身が不便を解決する側にもなれるということだ。「大学生でも、これだけのインフラを作れるということを知ってほしい。学生生活で困ったことは、みんなで作っていけばいい。エンジニアに興味のある後輩がいれば、気軽に連絡してほしい」と呼びかける。
(中泉奏士)
