「多様性を尊重してほしい」 同性婚を考える講演会 同性カップルが登壇

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 同性婚の法制化について理解を深めてもらう講演会が8日、オンラインであった。法制化を求めている同性カップルの「多様性を尊重してほしい」という訴えに関西学院大学の学生など146人が耳を傾けた。

 講師は香川県三豊市のアーティスト田中昭全(あきよし)さん(43)が務め、同性パートナーの川田有希さん(35)もゲストスピーカーとして参加した。2人は同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は違憲だとして、大阪地裁に提訴したほか、性的マイノリティに関する講演や啓発をしている。

 講演で2人は同性婚の法制化を求める理由として、2人の関係を法的に保証するものがないことを挙げた。病院での付き添いや手術の同意を断られるなど、相手になにかあったときに、問題が生じる可能性があると指摘。遺産相続でも配偶者ではないので、減税を受けられないという。

 田中さんはLGBTの友人が身近にいない学生に対して「たまたま出会っていないか、本人が打ち明けていないだけ。まずはLGBTについて知り、多様性を尊重してほしい」と呼び掛けた。

 講演会に参加した人間福祉学部3年の土山花音さんは「初めてLGBT当事者の話を聞いた。性の問題を自分のこととして考えられるようになった」と話した。

 講演会を主催した関西学院大学人権教育研究室の澤田有希子准教授は「性の多様性」について人間福祉学部以外の学生に啓発できていないことが課題だったとして「今年は研究室のホームページを活用した」と説明。ウェブサイトを通してLGBTについて多くの人に知ってもらうことを心掛けたという。

 講演会は、キャンパス内の多様性やセクシュアリティの多様性の尊重を啓発するためのイベント「関学レインボーウィーク」の一環で開かれた。例年は国際反ホモフォビアの日(5月17日)に合わせて5月中旬に開催していたが、新型コロナウイルスの影響で10月5日~9日に延期。イベントはオンラインで開催された。

 例年、レインボーウィークに合わせて教職員のメッセージなどを紹介していたパネル展示は、人権教育研究室のホームページで見られる。大学図書館には16日まで、LGBT関連図書を集めたブースが設けられる。LGBTサークルCassis(カシス)の学生が推薦した図書リストも掲示している。 (吉永美咲)

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