体育会スケート部フィギュア部門の学生が週1回練習していた西宮市内のスケート場。今はリンクに学生の姿がない。大学からの要請を受けて氷上での活動を自粛しているからだ。夏休み中の合宿も実施を見送った。
関西インカレ(関西学生氷上競技選手権大会)の男女団体優勝を目標に29人で活動している。大学からフィギュアを始める部員も多い。文学部4年の山田晋一主将は「経験者と大学から始めた選手が励まし合い、関西インカレを目標に取り組んでいる」と話す。
力を入れているのは競技だけではない。毎年11月、児童養護施設で暮らす子どもたちを招き、スケート教室を開く。「スケートの楽しさを伝えたい」と、1年生が率先して指導する。山田主将は「たった一人で全観客の注目を集められるのがフィギュアの魅力。他のスポーツでは味わえない」と話した。
現在はオンラインでストレッチや体幹トレーニングをしている。11月には関西インカレを控える。昨年は創部以来初の男女総合優勝を勝ち取った。2連覇を目指すフィギュア部門。山田主将の願いは切実だ。
「早くリンクに立ちたい。部としての氷上活動は半年近くできていない。大会に出場するにも大学からの許可が必要だ。何とか練習時間を確保して、大会に臨みたい」 (田中秋杜)