イルミネーションに照らされる時計台、11月3日、西宮上ケ原キャンパス中央芝生、山本一貴撮影
大学祭総部新月祭実行委員会は11月2日、3日に西宮上ケ原キャンパスで新月祭を開催した。初日こそ大雨の影響で閑散としていたが、2日目には1万人以上が来場し盛大なにぎわいを見せた。各キャンパス6日間の期間中に約3万6000人が訪れた。
実行委員の人員は前年から大幅に増加し1000人を超える規模で企画、運営を行った。今年は情報発信に力を入れることで来客の増加を狙いチラシ配りやInstagramそしてTikTokへの投稿などSNSの運用をより活発にした。また、恒例企画の模擬店グランプリには例年と異なりMCを芸人に依頼するなど、既存の企画もより盛り上げるべく改善に努めた。
1日目の目玉となったのは中央芝生の特設ステージにて1998年結成の5人組ロックバンド、FLOWが行った「FLOW LⅠVE2024」だ。ライブは当日の大雨により一時中止も濃厚であったが実行委員をはじめ、多くの関係者が諦めずに粘り続け予定より遅れながらも開催にこぎ着けた。開始時刻、中央芝生には800人が集まり、FLOWがステージに登場すると会場は大歓声に包まれた。
上ケ原新月祭の締めは3日に中央芝生で行われた上ケ原イルミネーションだ。今回のテーマは「彩りを特別な時間に」であった。本企画ではイルミネーション以外にも芝生半分に灯篭を配置、またフォトスポットを設けた。開始前からたくさんの人が集まり午後6時からの点灯後、フォトスポットには行列ができ、芝生前方では華やかな光のオブジェがたくさんの人を魅了した。
今年は新しい試みとして、「光るメッセージカード」を企画した。来場者がメッセージカードへ記入し、周囲にライトをつけ、ボードに貼り付ける。参加者自身がその手で作り上げる一体的なイルミネーションを表現することを目指した。
学祭後、新月祭実行委員会委員長の田代漢太郎さん(文学部3年)は、来場者数を伸ばすという目的以外にも「退部率を減らす、委員会のメンバーにも楽しんでもらう」ことが目標にあったと話す。毎年、5月頃に入会して以降学祭の時期までの活動がわずかである大学祭総部。準備を本格的に開始する前に退部者が出る事態も少なからず起きてしまう。
「せっかく入会してくれた実行委員の人たちにも楽しんで運営に関わってほしかった。新月祭での出来事がかけがえのない思い出になれば」と自らの思いを語った田代さん。堅いイメージのある運営で、引き締めるべき部分では徹底して取り組むことを念頭に今年は遊びの要素を入れることで「楽しみ」を作り出した。
新月祭のすべての日程は終了したが、その裏には実行委員を含め、たくさんの人の努力があったことを忘れてはならない。来年以降、本学学祭が更なる飛躍を遂げることを期待したい。 (山本一貴)