関西学院大学では「Kwansei Grand Challenge 2039」という将来構想がある。創立150周年を迎える2039年に関学大全体がどうあるべきか、どうなっていきたいかについて様々な計画を検討している。
神戸市の「王子公園再整備にかかる大学設置・運営事業者公募」に応募したのはその計画の中の一つだ。
関学大は23年6月19日に神戸市の「王子公園再整備にかかる大学設置・運営事業者公募」の優先交渉権者に決定した。関学大広報室企画広報課の中谷良規さん(46)は、大学の更なる発展につながるという考えで応募したと話す。
少子化が進む中で大学誘致の応募に踏み切ったのは「現状維持だけではいけない」と考えたからだという。中谷さんは「関学大の伝統を更に続けていくために、今あるものを守るだけでは不十分だ」と語った。また、新しい教育を新キャンパスで展開しつつ既存のキャンパスとも連携させ、関学大の強みを出すことが重要と判断した。
一方で、7月に市民グループが応募取り下げを求め、大学に署名を提出している。中谷さんは「反対している人ともそうでない人ともしっかり対話をしていきたい」と述べ、反対する人々の声を真摯に受け止めている。
現状、関学大は優先交渉権者になっただけでまだ事業者ではない。「今後どうなるかはわからないが、王子公園に新キャンパスを作るならみんなで一緒に盛り上げたい」と語った。
また、「個人的には関学大が王子公園に来てよかったねというふうになったらいいなと思う」と話した。中谷さんは「新しいところで新しいことができるということを応援してもらえるようにしたい」と掲げている。(廣津寧々)