公平な社会へ導く星を目指して
- 2022/6/4
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スピカ。おとめ座の中で最も輝く星の名を冠するのは、関西学院大学未登録団体のフェアトレード学生団体Spica。現在代表を務める藤原彩花さん(国際学部2年)が昨年8月に設立し、フェアトレードを多くの人に知ってもらいたいという思いを胸に活動している。
フェアトレードとは公正・適正価格での取り引きのこと。経済、社会、環境の三つの視点からアプローチし、インフラ整理や、児童労働問題の解決、農薬の使用削減による水資源の保全などにつながる活動だ。
藤原さんは高校生の時、授業でフェアトレードについて知った。オンライン交流会や本を通して独学するうちに、大学では団体として活動しようと決意した。
「Spicaは、フェアトレードが身近で当たり前になること、消費者が自分事として捉え行動できる社会の二つをビジョンに据えています」と強く語る藤原さん。実現に向け、メンバーが若者消費者目線からのフェアトレード認知向上、消費者の意識改革に向けたアクションを起こすことを大切にしている。
団体としてのターニングポイントは構成の決定にあった。Spicaでは、既存製品を学内外で販売する販売班、企業と新規性のある商品を生み出す協賛班、そしてソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)での情報発信や渉外を担う広報班の三つのチームに分かれて活動している。「当初は既存製品の販売のみを視野に入れていました。あらかじめ活動内容を決めるのではなく、設立後にメンバーで話し合ったからこそ今の形になりました」と藤原さんは話す。
同様に、Spicaという名前も、メンバー間での話し合いで決定した。この名には三つの思いが込められている。
まず、スピカはラテン語で「小麦の穂」を表す。フェアトレードで扱われるものは農作物が多く、共通点を感じた。また、スピカは正義の女神であるアストライアの左手に位置している。アストライアは公正・公平を司っており、フェアトレードの信念にも通じる。そして、星は地球のどこにいても誰もが等しく見ることができる。Spicaの目指すものと一致しており、これ以上ない名前だった。
5月20日と27日には、販売班が関西学院大学生活協同組合(関学生協)のコンビニ「ポケットママ」前カウンターにて、午前11時30分から午後1時30分までフェアトレード認定の砂糖で作ったマカロンを販売。フェアトレードジャパンのミリオンアクションキャンペーンに準ずるものとして実施した。20日は61個を販売し、午後0時50分に完売した。
5月23日から6月17日には、協賛班が関学生協KGフォーラム店と中央講堂店、西宮聖和キャンパス店にて、オーガニックコットンを用いた生理用布ナプキンを販売する。生理用布ナプキンは、オーガニックコットン製品の販売を主とするメイド・イン・アース、社会問題解決をビジネスで実践するラントレの2社との協力のもと実現した。(西本明日華)