(タイムスリップ)漫画家・橋本ナオキさん 今に活きる大学での経験は

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 ニワトリの会社員「でぶどり」とヒヨコ「ひよ」の掛け合いが人気の漫画「毎日でぶどり」。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信され、フォロワーは23万人を超える。作者で漫画家の橋本ナオキさんは、関西学院大学の出身。現在につながる大学での経験や、現役学生へのアドバイスを聞いた。(聞き手・木村航太)

 ――本学の印象は。

 まずは校舎が綺麗ということと、神戸三田キャンパスの学生だったので、キャンパス全体の周りが自然にあふれていたなというのが正直な印象です。

 ――思い出に残っていることは。

 総合政策学部の畑祥雄教授(当時)のゼミを受講していました。ゼミでの学びは今に活きていると感じます。ユーチューブなどの動画配信サイトが黎明(れいめい)期だった当時、ゼミで映像編集の技術を学べる環境下にあったのは革新的だったと思います。僕自身の創造性を大いに高めてくれる、とても良い経験になりました。

 ――前職からイラストレーターに転職したきっかけは。

 大学卒業後は東京のIT企業でお世話になりました。残業を終え、終電での帰宅。会社と自宅を行き来するだけの毎日が続いていました。そんなとき「自分の本当にやりたかったこと」に目を向けてみると、デザイン系の仕事を志していた頃の自分を思い出しました。それから「自分のたどってきた道を正解にする」という気持ちで心機一転、イラストレーターに転職しました。

 ――「会社員でぶどり」について教えてください。

 「会社員でぶどり」に登場するキャラクターやストーリーには、自分がこれまで経験してきたことや、かつて熟読した本からインスパイアされたものが多いです。主人公は、読者の方々に親しまれやすくするため、愛らしいフォルムの太ったニワトリである『でぶどり』にしました。

 ――今回「会社員でぶどり3」を刊行する上での心境は。

 これまで刊行してきた1巻、2巻では主人公の「でぶどり」と相方である「ひよ」がブラック企業から心機一転転職し、その先で新たな仲間たちと出会うまでの経緯を描いてきました。3巻では出会ったキャラクターたちを掘り下げていきます。ある意味、前巻までとは違ったテイストを味わっていただけると思います。ぜひご期待ください。

 ――今後の目標や展望は。

 「でぶどり」を誰もが知る人気キャラクターなれればと考えています。そのために、SNSだけでなく、幅広い分野で認知度を上げていきたいですね。「橋本ナオキ」という1人のイラストレーターとしての活躍もしていきたいです。

 ――最後に在学生へのメッセージを。

 大学生というのは「興味のあるものを極められる時間」だと思います。たとえどんな分野であれ、どんな小さなことでも良い。周りの人とは違う経験や分野を持つということは、必ず自分の武器になり、財産になります。そのうえで、関学に入学したからこそ出来たつながりや学びを大切にしながら、貴重な学生生活を過ごして下さい。

 はしもと・なおき 28歳、大阪府出身。2015年に関西学院大学総合政策学部を卒業後、東京のIT企業でシステムエンジニアとして勤務するが1年半で退職。経験はなかったものの、若いうちにやりたいことに挑戦するため、イラストレーター/漫画家として活動を開始する。

 当たり前だと思っていたことを疑い、自分の頭で考える大切さを伝えるため18年に「毎日でぶどり」の投稿を開始し、1年でフォロワー数14万人を突破。2020年現在はInstagram、Twitterで投稿を継続しながら、4コマ漫画制作やSNS 運営・記事作成などに携わっている。

 著書に『会社員でぶどり』『会社員でぶどり2』『会社員でぶどり3』(産業編集センター)がある。

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