近年、大学や研究機関がサイバー攻撃による被害を受けるケースが増加中だ。関西学院情報化推進機構は現在、情報基盤整備の企画やDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する業務に加え、サイバー攻撃対策などのセキュリティ強化に力を入れている。
システムを利用する対策としては、※ファイアウォールの設置やOktaによる認証などを実施している。
Oktaの認証は、人間の記憶によるパスワードと所有物であるスマートフォンなどのデバイス操作という多要素を用いており、よりセキュリティを高めることが可能だ。現在はパスワードの代わりに登録したデバイスで指紋・顔認証し、ログインすることが可能になっている。
システムで防ぐことの出来ない部分については、毎年教職員を対象に、研修や標的型攻撃メールの対策訓練などを行っている。情報技術は急速に変化するため、一人一人が知識を常にアップデートすることが重要である。
情報化推進機構の片岸修課長(50)は「今後は在学生向けのセキュリティ研修も行いたい」と展望を述べた。
情報化推進機構は現在、関学大敷地内の屋外でWi-Fiを利用できるようにすることも検討中だ。「ICTで関学に関わる全ての人を幸せにする」。今後の取り組みに注視したい。
※ファイアウォールとは、内部ネットワークと外部ネットワークの境界に置かれ、外部からの不正なアクセスを遮断する仕組みのことである。
(今村早織)