「練習を再開することなく試合を迎えてしまう」。関西学院大学体育会剣道部・須浪優加選手(法学部1年)は、少し不安げにこう答えつつ、大会に臨んだ。
剣道の全日本選手権の香川県予選を兼ねた県選手権が1月23日、高松市の香川県立武道館であり、女子の部で須浪選手が初の優勝を飾った。これにより、14日に長野市で開催される全日本選手権の出場が決まった。
大会で最も印象に残った試合として、阿部ゆめな選手(香川大4年)との決勝を挙げた。「自分の苦手な剣風で強かった。相手が技を出すところを狙って攻撃した」とし「集中力が切れそうだったが、なんとか切らさずに試合に勝つことができた」とうれしそうに振り返った。
しかし、試合前はとても不安だったと語る。新型コロナウイルスの影響で昨年の11月ごろから部活動がほとんど中止になり、練習が満足にできなかった。家での素振りやランニング、筋トレといった自主的な練習をしたが、実戦的な練習が足りず、試合の感覚が鈍ったという。
満足した練習ができない中優勝できたのは、自身の負けず嫌いな性格があったからだという。「試合に出るからには練習環境を言い訳にして負けることはできない。試合に勝ち続けるたびにその思いが強くなった」と語った。
全日本選手権の目標について「目標は日本一。練習量で劣っていても、自主練習でしてきたことを自信に変え、自分の力を全て出し切りたい」