道を開いてくれた関学での出会い

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山田耕一さん=本人提供

 「学生時代の出会いがあって、今の自分がある」と語るのは、写真記者の山田耕一さん(58)。1989年に関西学院大学経済学部を卒業後、産経新聞に入社し、現在も写真を撮り続けている。

 写真に興味を持ったのは高校生の時だ。関学大経済学部卒業のジャーナリストの野中章弘さんが、ある雑誌の巻頭グラフでカンボジア内戦下の子供たちを特集していた。当時はフィルムの時代。安ホテルのバスルームを暗室にし、吊るされていく現像されたネガ。その描写にぞくぞくとして、「これしかない」と思った。

 大学1年目の終わりに写真の夢を捨てきれず、アルバム委員会の扉を叩いた。2年目からはほぼ毎日、四季の風景や部活動、関学生の日常の撮影に明け暮れた。

 仲間にも恵まれ、2年上の先輩たちは新聞やテレビといったマスコミの道に進んで、常に自分の夢に近い人に囲まれていた。

 転機は3年生の春。毎日新聞にすすんだ先輩の紹介で選抜高校野球のバイトで試合やベンチ入りできなかった選手をスタンドから撮影。そのうちの1枚が写真雑誌「毎日グラフ」の高校野球総集編に掲載された。おのずと写真記者を意識するようになった。

 入社後は、それまで未経験の事件、災害や文化、政治、皇室など様々な分野を取材。海外取材も北極圏から南極圏まで二桁をこえた。なかでも印象に残っているのは天皇、皇后両陛下(現在の上皇さまご夫妻)と政府専用機で欧州8カ国を外遊したことだ。

      ◇

「相手の立場で物事を考える」という意識があれば、自分に跳ね返ってきて、偶然の出会いが道を開いてくれると山田さんは感じている。

「二度とない出会いを大切にしてほしい」と語った。

 昨年管理職を卒業し、ふたたびカメラを手に刺激的な毎日を過ごしている。   

(石本理子)

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