漫画「ミステリと言う勿れ」より、主人公の久能整は天然パーマの時々面倒くさい大学生
時には親切心で整の洗濯物を洗おうとした女の子を制止し「どうして拒否もオッケーも結構ですなんだろ、結構です」と拒む始末、たしかに面倒くさい▼そんな彼の口癖はいつもこうだ。「僕は常々思うんですが」思ったこと、屁理屈を相手かまわずしゃべりだす。ただ彼の〝言葉〟に多くの人々は惹かれていく。
印象的なのは、遺産相続事件での場面。整は相続事件により幼い頃から心に傷が残る女子高校生にこう言った「子どもって乾く前のセメントみたいなんですって。落としたものの形がそのまま跡になって残るんですよ」と。子どもの頃にされたことは、後にすごい傷跡となって固まり、人生が壊れてしまうことがあることを伝えた。
次に彼はこう言う「弱くて当たり前だと誰もが思えたら良い」と。さらに彼は、日本と違いアメリカでは人の弱さを認め、病むことも倒れることも当たり前としていることを説明した。だからこそカウンセリングが普及していることを伝え、女子高校生にカウンセリングを勧めた。
現在日本では不登校の子どもがさらに増えている。小中高生は34万人、1年で4万人以上も増えた。自ら不登校を選択することは間違いではないが中には周りの環境から不登校になり一人になっている子もいるのではないか。
そして、私たちセメントが固まる寸前の大学生も周りの環境や将来への不安など多くの悩みがあるのではないだろうか。
そんな時にこそ彼の言葉を思い出してほしい。思い悩んだ時、弱さを認め誰かに相談することは一種の〝強さ〟なのだ。
彼の言葉を聞くと私は常々思う。そんな言葉をかけられる天パな大学生でありたいと