物語のある服とともに生きていく

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Worn Wear College Tourの様子=2024年10月24日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス中央芝生、川田恵里花撮影

 アパレル業界は全世界での二酸化炭素排出量の約10㌫を占め、気候危機に大きな影響を与えている。パタゴニア日本支社(本社:米国カリフォルニア)は、これからの未来を担う若者たちとともに「責任ある消費」を考えるイベントとして、「Worn Wear College Tour」(以下WWCT)を日本各地の大学で開催している。

 WWCTとは、衣類の修理サービスや、参加者が自らボタンの取り付けなどを行うセルフリペア、着なくなったTシャツをマイバッグに作り替えるワークショップ等を通して、学生に衣類を長く着る方法や地球の資源の節約について、服の消費という面から考える機会を提供する取り組みだ。

 パタゴニアは「自社製品に最後まで責任を持つこと」を理念としている。具体的には、衣類の修理や使用済み衣類の回収といった取り組みを行う。

 また、流行を追わずできるだけ長く着られる製品を志向する。服はデザインから製造に至るまで必ず人が関わる。そのため、製品を廃棄することとなれば、その製品を作るための資源やエネルギーが無駄になるだけでなく、それぞれの過程に携わった人々の思いも無駄にしてしまうことになる。

Worn Wear College Tourの様子=2024年10月24日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス中央芝生、川田恵里花撮影

 関西学院大学でのWWCTに参加した、パタゴニア日本支社マーケティングブランドカテゴリーマーケターの奥谷陽子さんは「服と人の思い」という観点から、消費社会の課題について主体的に考えることの必要性を訴える。「服そのものではなく、服を着ている人がいきいきとしていることが大切だ。服には考え方や思い出が表れる。それが服を格好良く、素敵に見せる」と明るく話す姿が印象的だった。

 奥谷さんはWWCTを通して、若者が服の付加価値について発信することで、ものを長く使うことの大切さと魅力が拡がっていくことを望んでいる。

 服自体が最終的な目標ではない。服を着て、さまざまな場所を訪れ、人と出会い、一生ものの体験をする。そうして紡ぐ物語とともに服はずっと素敵になる。 (森友紀)


この記事は二部構成です。vol.1は下記のボタンから。


Worn Wear College Tourの様子=2024年10月24日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス中央芝生、川田恵里花撮影

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