展示の様子=2024年8月7日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス大学博物館2階、林諒太郎撮影
関西学院大学博物館は7月29日から9月14日まで、平常展「学生たちの大学昇格運動 関西学院新聞からみる学院史」を開催した。
大学昇格運動とは、1918年の法改正により私立学校が大学に昇格することが認められたことをきっかけに、それまで専門学校または高等学部と呼ばれた私立学校が大学という名称に変わり、カリキュラムを変更することを目指した運動のことである。大学として認可されることで学士号の取得が可能になることなどが運動の動機とされている。
平常展のテーマは「学生目線」だ。通常学院史は運営する大人の視点で捉えることが多い。そこをあえて学生新聞を通して学生にとっての大学昇格はいかようだったかという視点で展示したのが特色だ。
一番の見どころは新聞の拡大写真。当時の新聞記事を来場者に読んでもらうため、原典を拡大した写真とセットで展示している。新聞には自治活動の中心であった総会の模様が詳細に記録されており、当時の学生たちの活動を知ることできるところも見どころの一つだ。
大学博物館学芸アシスタントの深谷佳那さん(26)は「どういう経緯で大学に昇格し、どのように私たちの大学生活が形作られたのか。関学の歴史に思いをはせてもらえたらうれしい」と述べた。 大学博物館はオープンキャンパス来場者に向けて、平常展で大学の成り立ちを学んでほしいと考えている。夏のオープンキャンパスでは3500人以上が大学博物館に来館し、関学の歴史に思いを巡らせた。 (林諒太郎)
総会の様子=2024年8月7日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス大学博物館2階、林諒太郎撮影
当時の新聞とその拡大写真=2024年8月7日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス大学博物館2階、林諒太郎撮影