関西学院大学は5月16日から20日にかけて、関学レインボーウィークを開催した。LGBTQ+を含むセクシュアリティーの多様性尊重の啓発を目的に2013年に始まり、今年で10回目。
1年目から関学レインボーウィークに携わる武田丈教授(58)は、LGBTQ+の人がどんな思いでキャンパスにいるかを知り、学生に身近な問題として認識してほしいと思い、関学レインボーウィークを始めた。武田教授は「当事者なしにはできない活動だ」と話す。
5年前はLGBTQ+に対する理解不足で、LGBTQ+当事者の学生とアライ(LGBTQ+の理解者)の学生間に温度差や感覚のずれがあった。武田教授は「一時的なイベントではなく、レインボーウィーク期間外も多様性尊重の啓発活動を行うことで一体感が高まってきた」と語った。関学レインボーウィークに携わるアライの学生は増加傾向にあるという。
今年のオープニングイベントでは、関西学院大学の村田治学長が登壇した。大学全体で多様性の啓発を推進していることを、学生や社会にアピールできたのではないかと目を細めた。
今回の関学レインボーウィークのコンセプトは「十人十色」。人の数だけセクシュアリティーの表現があるという意味が込められている。
今後は、セクシュアリティーだけでなく障害者や国籍の多様性に対する理解を進める必要があると考えているという武田教授。セクシュアリティーの多様性の認識について「LGBTQ+に偏見はないと思っていても、ふとした発言でLGBTQ+の人を傷つけることがあると意識してほしい」と強調した。(上田帆乃佳)