6月29、30日に東北福祉大学で開催された生活経済学会第40回大会にて、経済学研究科博士後期課程1年の本多真紀さんが、優秀な報告者に授与される会長賞を受賞した。
生活経済学会は生活者の立場から豊かさやそれを実現するための課題を研究する学会である。第40回大会では23名が自由論題・共通論題について報告を行った。
本多さんの研究タイトルは「住宅税制の政策効果―2010年代の資本コストによる分析」。家を購入する際に人々が直面するコストを経済学的に分析した。
初めての学会発表となった今大会、本多さんは「とても緊張していた」と振り返る。
「修士課程の2年間は博士に進むことを悩んでいた。今回の賞が取れたら研究者の道を目指したいとおぼろげに思っていた」と述べ、会長賞の受賞は人生の大きな転機となった。
本多さんは経済学部を卒業後、銀行に就職する。12年間勤めた後、社会人が教育機関で学び直すリカレント制度に立候補し、現在大学院で研究に取り組んでいる。
銀行勤務の経験を活かせる研究テーマを考えていた時期にマイホームの購入が重なり、住宅税制について考える機会が増えたことから今回のテーマを選択した。
現在、本多さんは育児をしながら研究に取り組んでいる。多忙な毎日の大きな支えとなっているのが指導教員である上村敏之教授の存在だ。「尊敬している教授が忙しい中自分の指導に時間を割いてくれていると思ったら、私も頑張るしかない」と柔らかな笑顔で語った。
本多さんは今後、新築物件に加え中古物件のコスト分析にも研究意欲を示している。「研究者になりたい」。目標に向かって本多さんは一歩ずつ前に進んでいく。(石黒和加奈)
本多真紀さん=本人提供