
「輝きエリア」での光のショー=8月4日、電力館内、村山諒撮影、
東ゲートを抜けて少し歩くと、銀色のタマゴ型の建物「電力館 可能性のタマゴたち」が姿を現す。出展する電気事業連合会は、 これまで4回国内万博に出展しており、大阪・関西万博では、新たなものが生まれてくるような可能性の象徴として「可能性のタマゴ」をコンセプトとしている。

館内に入ると、光るタマゴ型デバイスを受け取る。このタマゴは、プラスチック削減のため、卵の殻やホタテの貝殻が配合されている。館内は「プレショー」「メインショー(可能性エリア、輝きエリア)」「ポストショー」の3つに分かれる。
「プレショー」では、これから体験するエネルギーの可能性を映像で紹介。
「可能性エリア」には約30種類の展示が並び、振動を利用して発電する「振動力発電」、「無線給電」を学ぶシューティングゲーム、直流送電を体験するゲームなどがある。中でも人気は「核融合」のコーナー。

体験では、重水素と三重水素に見立てた赤と青の玉を同時に手元に引き寄せてくっつける(融合させる)ゲームに挑戦。実際の核融合と同様に、赤と青の玉が反発するため融合させることが難しい仕様となっていた。また、5月には愛子さまも体験して話題となった。

そのほか、潮流を利用した発電、食品廃棄物を発酵させて発電に活用する「フード・エネルギー・サイクル」など、環境に優しい再生可能エネルギーの体験も充実している。

「輝きエリア」では、天井から吊るされた無数のLEDと音がタマゴと連動し、「いのちの輝き」を表現。「ポストショー」では、「可能性エリア」の体験で触れた全てのエネルギーについて、図と解説で振り返ることができる。電力館係長の道法勇樹さんは「普段あまり考える機会のないエネルギーや電気について、自分事として捉え、帰宅後も考えてほしい」と話す。

エネルギー問題が深刻化する中、電力館は科学への興味と新しい電力の可能性を同時に育む貴重な学びの場となっている。
(田爪翔)
