(扉の一言)オードリー・ヘップバーン

年をとると、人は自分に二つの手があることに気づきます。ひとつは自分を助ける手。そして、もうひとつは他人を助ける手。

オードリー・ヘップバーン

 私たちは日々の生活のなかで、どれくらい他人を思うことができているだろうか。自分のことで一杯一杯になって、どうしようもなくなったとき、自分の手を見つめて、この言葉を思い出してほしい。

 オードリー・ヘップバーン。アカデミー賞、エミー賞、グラミー賞、トニー賞の受賞経験を持つ数少ない人物である。彼女の名前を知らない人はいないのではないだろうか。そんな、女優として才能溢れる彼女が人生をかけたものは、女優業だけではなかった。彼女は、後半生のほとんどを国際連合児童基金(ユニセフ)での仕事に捧げた。そして、1992年終わりには、ユニセフ親善大使としての活動に対して、アメリカ合衆国における文民への最高勲章である、大統領自由勲章が授与された。

 ではなぜ、ヘップバーンは女優業を犠牲にして、ユニセフでの活動に力を入れるようになったのか。その背景には、彼女の少女時代が深く関わっている。第二次世界大戦中、ドイツが彼女が当時暮らしていた、オランダに侵攻。当時11歳だった彼女は、栄養失調に苦しみ、重度の貧血と呼吸器障害、浮腫に悩まされた。彼女が少女時代に受けたこれらの戦争体験が、後年のユニセフへの献身につながったといえる。

 ユニセフでの経験を通して、ヘップバーンはこんな言葉も残している。『愛されるより、愛することのほうが大切だと思います。』

私たちは、自分のことだけに必死になってしまいがちだ。しかし、私たちは他人を助けること、愛することを忘れてはいけないのではないだろうか。私たちはこの世界で、手を取り合って生きてゆくのだから。