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学生のBeRealの使い方に対する問題提起

 若者の間でBeReal(ビーリアル)が流行している。ビーリアルとは2020年に登場したフランス発のSNSアプリだ。

ビーリアルは他のSNSと大きな違いがある。それは、1日1回ランダムな時間に全ての利用者に通知があるということだ。通知後2分間、写真の投稿を行えば、次の通知まで5枚写真を投稿する権利が得られる。投稿しなかった場合、写真は2枚しか撮ることができない。

ビーリアルの特徴はこの制限時間の短さにある。アプリの提供会社は、利用者が映えを気にせず自然体な姿を友人に共有することを目的としている。

しかし、授業中に通知が来ることで、一部の学生が休み時間まで待てずに写真を撮る。他の学生からは、授業中に周りから突然カメラ音が聞こえ始め、授業に集中できないといったようなことを耳にする。

大学は自由が特徴だ。しかしそれは無秩序であっていいということではない。大学は学びの場であり、周りに配慮せずビーリアルを利用することは学生の貴重な学びの機会を妨害する可能性が十分にある。

自分第一なばかりで周りのことを考えないままでいいのだろうか。自由をはき違えた学生の行き着く先を想像してみてほしい。それは未熟でわがままな精神をもった人間ではなかろうか。

 「学問とは人間はいかにあるべきか、いかに生きるべきかを学ぶべきことである」。これは幕末期の偉人である吉田松陰が著作の松下村塾記に残した言葉だ。

人生100年時代という言葉が広まる今だからこそ、吉田松陰の言葉は重みを増す。大学での学問を大切にしなければ、学生時代の何倍もの人生を生き抜いていくことは困難になるかもしれない。

 この文章を読んで心あたりのある者は一度自分の行動を見つめ直してくれたら幸いだ。

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