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廃部危機から奇跡の復活 能楽部新歓舞台

西王母を舞う中尾舞優さん=2024年4月17日、体育館前プラザ、石本理子撮影

関西学院大学能楽部は4月17日、西宮上ケ原キャンパス体育館前プラザで新歓公演を行った。演目は「西王母」と「経正」だ。

 古代中国を舞台にした「西王母」では中尾舞優さん(総合政策学部4年)が能楽で主演を指す「シテ」を演じた。平安時代の武将である平経正をモチーフにした「経正」では熊谷朋也さん(法学部2年)がシテを演じた。

新入生を含む多くの観客が訪れ、新歓公演は大成功となった。

能楽部は公演後、新学生会館3階の部室で新入生向けの楽器体験と部活見学を行った。

指導を行ったのは現役の能楽師であり、能楽部の師匠を務める笠田祐樹さん(33)。関学大社会学部の卒業生だ。笠田さんは新入生に能楽の用語を解説し、楽器の使い方を教えた。

楽器体験と部活見学をした森矢朔太郎さん(経済学部1年)は「新歓公演で興味を引かれて見学に来た。実際に能楽に触れてみるとすごく新鮮で、その深みを知れた」と語った。

能楽部は今年で113周年を迎える歴史ある部活だ。しかし、中尾さんは「能楽部は廃部の危機にあった」と語る。

中尾さんが入部した当初、部員は4年生3人だけであり、4年生が卒業したら廃部になる危機的な状況だった。そこで中尾さんは「伝統ある部活を絶やしたくない」と部員を増やすことを決意。チラシ配りやInstagramの開設などの懸命な活動により、現在の部員は7人まで増加した。

中尾さんは能楽部の魅力について「多くの先輩に応援してもらいながら想いを込めた舞台をつくることができる。個性豊かな仲間と共に袴を着て、声を合わせることはとても楽しい」と語った。

廃部の危機から奇跡の復活を遂げた能楽部。興味がある人は一度公演を見に行ってみてはいかがだろうか。

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