阪急甲東園駅から徒歩2分ほどにある「八起庵」では本格的な手打ちそばが楽しめ、周辺住民を中心に幅広い年齢層に親しまれている。
店主の吉田正明さん(73)のおすすめは「サラダそば」だ。娘の雪美さん発案のオリジナルメニューで、キュウリやパプリカなど5種類の野菜を、自家製和風ドレッシングで味付けしたサラダがそばの上に載っている。女性にもそばを楽しんでほしいという思いで作ったが、野菜を多く食べられることからダイエット中のサラリーマンにも人気だという。
吉田さんは16歳の時に料理の世界に飛び込み、京都の料理屋で腕を振るった。そして20年前、妻の恵子さんが宝塚市に就職するのを機に独立し、八起庵を創業した。
「地域の人々になじまれ、愛されるように心掛けた」と恵子さんが話すように、常に夫婦で店の改善点を考えた。例えば、メニューに使う具材は、開店前の仕込み段階でそれぞれの料理に合った形に加工して保存することにより、注文を聞いてから商品をすぐに提供できるようにした。
「かつ丼など、食べ盛りの大学生向けのメニューもあるので、一度食べに来てほしい」と話す吉田さん。恵子さんも「まだ知らない人にも知ってもらい、愛されるように頑張りたい」と語った。
営業時間は午前11時30分から午後2時30分と午後5時から午後8時の2部制で、定休日は火曜日。 (松本亘平)