1882年に建築が開始され、今なお造築が進むスペインの大教会、サグラダ・ファミリア。今年の6月10日に、140年以上の時を経て、ついにそのメインタワー「イエスの塔」が完成した。「イエスの塔」の完成式典において、とある人物の姿が、光り輝くドローンによって夜の空に描かれた。サグラダ・ファミリアを設計した、アントニ・ガウディその人である。
「諸君、明日はもっと良いものをつくろう!」という言葉は、1926年に、仕事終わりのガウディが、サグラダ・ファミリアの建築に携わる職人たちにかけたものだ。この時、建築開始から既に40年以上が経過していたが、あまりに巨大な建築物であるが故に、未だに完成の見通しは立っていなかった。しかし、ガウディは自身の構想を捨てることなく、常に最良を目指す向上心と、完成するという希望を持って職人たちを鼓舞した。
この言葉をかけた翌日、ガウディは路面電車に轢かれ、数日後に還らぬ人となった。だが、ガウディの構想は、多くの建築家に引き継がれ、サグラダ・ファミリアの建築は続いた。そして、ガウディの死後100年の節目に、その構想は、170㍍以上の高さを誇るメインタワー「イエスの塔」の完成に繋がったのである。
ガウディのこの言葉には、向上心と、諦めない心と、自分を信じてくれる仲間の存在が、大きな物事を成し遂げるのに必要だというメッセージが込められている。
学生生活は、大きな物事を成し遂げる絶好の、そして最大の機会である。この機会を逃がさず、ガウディの言葉を胸に、小さな、しかし確かな一歩を踏み出し、新たな挑戦をしてほしい。
(山口聡大)

